TypeScriptを使うと、より大規模なプログラムでも整理されて、管理しやすくなります。特に「モジュール」と「名前空間」は、プログラムをきれいに分けるための大切な仕組みです。このガイドでは、初めてTypeScriptを触る方に向けて、モジュールと名前空間の基本を解説します。
モジュールは、コードを機能ごとに分けて管理するための仕組みです。モジュール化することで、プログラムが大きくなっても、特定の機能を簡単に見つけたり、修正したりすることができます。
モジュールは、他のファイルからインポートして使うことができます。以下は、基本的なモジュールの例です。
// math.ts
export function add(a: number, b: number): number {
return a + b;
}
上のコードでは、`add`という関数を定義して、他のファイルで使えるようにエクスポートしています。
エクスポートした関数を別のファイルで使う場合、インポートします。
// main.ts
import { add } from './math';
const result = add(5, 10);
console.log(result); // 出力: 15
このようにして、`math.ts`で定義した`add`関数を`main.ts`で使っています。モジュールを利用することで、コードがすっきりしますね。
名前空間は、関数や変数、クラスをグループ化して管理するための仕組みです。使用する場面が少ないですが、特に大規模なアプリケーションでは役立ちます。
名前空間を使用することで、同じ名前の関数や変数があっても、衝突を避けることができます。以下は、名前空間の例です。
// Shapes.ts
namespace Shapes {
export function circle(radius: number): number {
return Math.PI * radius * radius;
}
}
ここでは、`Shapes`という名前空間を定義して、その中に`circle`という関数を作っています。
名前空間の中の関数を使用するには、名前空間名をつけてアクセスします。
// main.ts
///
const area = Shapes.circle(5);
console.log(area); // 出力: 78.53981633974483
`Shapes.circle(5)`のように、名前空間を使うことで、何の関数かがわかりやすくなります。
モジュールはファイル単位でコードをまとめるのに対し、名前空間は同じファイル内でも使えるようにするための仕組みです。どちらもコードを整理するのに役立ちますが、使い方は少し異なります。
TypeScriptのモジュールと名前空間を使うことで、コードを効率的に管理することができます。