まず最初に、ECSとは「Elastic Container Service」の略で、Amazonが提供するコンテナ管理サービスです。コンテナを使ってアプリケーションを運用することができ、スケーラブルで柔軟な環境を提供してくれます。
スケーリングは、システムの処理能力を上げるために、リソースを増やすことを指します。ECSでは、必用に応じてインスタンスの数を増やしたり減らしたりできます。
ECSでは主に2種類のスケーリングがあります。
水平スケーリングは、サーバーやコンテナの数を増やすことです。たとえば、トラフィックが急増したときに、複数のコンテナを立ち上げて負荷を分散します。
垂直スケーリングは、サーバーのリソース(CPUやメモリ)を強化することです。すでに運用しているサーバーの性能を上げることで、より多くのリクエストを処理できるようになります。
オートスケーリングは、自動的にリソースの数を調整する機能です。指定した条件に基づいて、コンテナの数を増やしたり減らしたりします。これにより、トラフィックの変動にスムーズに対応できます。
オートスケーリングを設定する手順は以下の通りです。
ECSの管理コンソールにアクセスし、クラスタとサービスを作成します。これがアプリケーションの基盤になります。
次に、スケーリングポリシーを設定します。ポリシーには、CPU使用率やメモリ使用率を基準に設定することが一般的です。たとえば、CPU使用率が80%を超えた場合にコンテナを2つ追加する、といった条件を設定します。
Amazon CloudWatchを使って、アラームを設定します。アラームは、スケーリングポリシーに基づいてトリガーされ、リソースの増減をが自動で行われます。
ECSでのスケーリングとオートスケーリングの設定は、アプリケーションを効率よく運用するためには欠かせません。これらの設定をおこなうことで、トラフィックの増減に柔軟に対応し、コストを抑えつつ高パフォーマンスを維持できます。